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2026年8月28日 生命科学

Rosalind Workbench のご紹介: 科学者一人ひとりに研究チームの力を

ガイド付きタスク、科学データ用ビューアー、シーケンシング解析が、研究者による問いの探究をデータからエビデンスまでどのように支えるかをご紹介します。

著者: OpenAI Rosalind team

Rosalind Workbench のご紹介:科学者一人ひとりに研究チームの力を

散在するデータ、連携していないツール、不明瞭な実験記録は、科学研究の妨げになりかねません。データ、解析、結果が得られた経緯の記録が、それぞれ別の場所にあることもあります。エビデンスに沿って研究を進めるには、これらのつながりを保ちながら、次に何を調べるかを決める必要があります。

こうした研究作業を一つの環境にまとめるために、Rosalind Workbench を開発しました。

生命科学に携わるユーザーは、この統合環境で使い慣れた科学研究ツールを活用し、生物学に特化した新しいモデルを試し、よく使うデータ解析ワークフローを定義できます。この仮想ワークベンチではガイドに沿って作業を進められるため、科学者はフロンティアモデルと最先端の科学研究ツールを十分に活用し、研究を加速できます。

Rosalind Workbench は、ChatGPT アプリでリサーチプレビューとして利用できます。研究者はガイド付きの科学研究タスクを試し、自身のデータ、手法、研究目標に合わせて調整できます。

Rosalind Workbench は、OpenAI の生命科学専用モデル GPT-Rosalind を基盤としています。GPT-Rosalind は、最先端の推論能力と専門ツールのオーケストレーションを組み合わせ、創薬化学、ゲノミクス、ウェットラボでの支援など、さまざまな科学分野の用途に対応します。将来的には、エージェントのチームがこれらの分野を横断して協力し、研究者がより幅広い専門知識を活用して、さらに野心的な科学的問いに取り組めるようになることを目指しています。

科学研究ワークフローの活用

専門分野によって使うデータや手法は異なりますが、根底にあるニーズは多くの場合共通しています。生物学的な問いを適切なエビデンスと結び付け、次の判断に至る道筋を明確にすることです。

研究が一つのツールだけで完結することは、ほとんどありません。疾患のメカニズムに関する問いを考えてみましょう。ゲノムのシグナルを起点に分子構造を調べ、文献からのエビデンスを必要とし、最終的に新たな実験計画へと進むかもしれません。各段階で使うデータや手法は異なっても、同じ生物学的な問いに答える必要があります。

Rosalind Workbench は、これらの段階をつなぐ手助けをします。まずガイド付きの例で何ができるかを理解し、そのアプローチを自身のデータ、手法、研究目標に合わせて調整できます。それぞれの例では、計画、中間結果、裏付けとなるエビデンスのつながりを保ちながら、専門ツールを使って生物学的な問いを探究する方法を示しています。

タンパク質の分子構造の探索

この例では、科学者がセマグルチドの結合した GLP1R の構造を調べています。モデルに指示してビューアーを操作させ、PDB ファイル内の構造的特徴を説明させ、タンパク質複合体の主な特徴を示す動画を作成させます。

エビデンスの確認

専用のビューアーを使うと、解析を行っている会話の中で科学データを確認できます。詳細を調べ、追加の質問をし、目で確認した内容と解析とのつながりを保てます。

研究についての会話の横に表示された分子構造と、注釈付きの触媒チャンバー。
Rosalind Workbench で PDB 5LF3 の生物学的集合体 1 を開き、ボルテゾミブが結合したヒト 20s プロテアソームを表示しています。外側の α リングは青緑色、内側の β リングはコーラル色、結合したボルテゾミブ分子は金色で表示されています。ラベルは、α リングの入口、触媒チャンバー、β5 部位に結合したボルテゾミブ分子を示しています。分子構造ビューアーは、科学的な依頼内容、Rosalind による解釈、タンパク質配列、三次元表示を一か所にまとめます。

Rosalind Workbench の利用開始

これらのワークフローを試すには、ChatGPT アプリで Rosalind Workbench を開き、案内に沿って初期設定を進めてください。

「続行」ボタンがある「Rosalind Workbench のセットアップ」ダイアログ。

1. 生物学的な問いを出発点に

開始画面には、タンパク質設計、低分子設計、安全性と開発可能性、構造と配列、ゲノミクスと病理学、実験による検証といった分野の研究タスクが用意されています。タスクを選択するか、利用できる科学研究ツールを確認できます。

研究ジョブ、科学研究ツール、GPT-Rosalind へのアクセスを表示した Rosalind Workbench。

2. 専門的な科学研究ツールの連携

次のステップは問いによって変わります。たとえば、PD-L1 ナノボディを設計する研究者は、有力な候補を順位付けした後、実験検証タスクを使って 5 つのナノボディの結合アッセイを計画し、費用を見積もることができます。低分子を扱う研究者は、イマチニブを ABL1 にドッキングさせ、上位 5 つのポーズを確認し、分子構造ツールで得られた相互作用を調べることができます。

同様に、デキサメタゾンで処理した気道の RNA-seq タスクは、ゲノミクス研究者が NGS Analysis Workbench で解析を始める足掛かりとなり、生物学的な問いと解析を結び付けます。

これらのタスクは、設計、解析、確認、検証を同じ研究目標のもとで進める方法を示しています。ガイド付きワークフローは、ツールを切り替える際の準備を減らし、生物学的な問いの検討やエビデンスの確認により多くの時間を使えるようにします。

3. ゲノム研究向けのガイド付き研究ワークフローの実行

シーケンシング解析では、生物学的な結果を解釈できるようになるまでに、相互に関連する多くの判断とデータセットが必要になることがよくあります。ファイルとメタデータを対応付け、品質を評価し、生物学的反復を正しく特定して、適切な統計的デザインを選ぶ必要があります。

Rosalind NGS Workbench は、これらのステップをレビュー可能な一つのプロセスとしてつなぐ手助けをします。

Codex のナビゲーションに表示された NGS Analysis Workbench と Rosalind Workbench。シーケンシング解析用の NGS Analysis Workbench パイプラインライブラリ。NGS Analysis Workbench に FastQC を実行し、トリミングが必要かどうかを提案するよう依頼するプロンプトの例。

シーケンシングデータから研究上の判断へ

FASTQ の入力から品質管理、bulk RNA-seq、シングルセル解析まで、Rosalind は研究者の承認を得るための計画を作成し、選択されたツールを連携させ、追跡とレビューが可能な出力を返します。

Rosalind Workbench の活用

どこから始めても、目標は同じです。研究の問いから、実際に確認できるエビデンスへと進み、どのように作業を行ったか、次に何を探究できるかを明確に記録することです。

高度な生命科学研究には、複雑な推論と、機微な生物学的情報にふさわしい安全対策の両方が必要です。Rosalind Workbench の ChatGPT エージェントは、次の 2 つのモードに対応しています。

探索モード: 利用可能な ChatGPT モデルを使って、一般的な科学の質問をしたり、アイデアを探究したりできます。

リサーチモード: より複雑な生物学的な問い、掘り下げた解析、高度な研究ワークフローに取り組めます。確認済みの組織メンバーは、組織を代表してアクセスを申請できます。個人向けのアクセスも近日中に提供予定です。

研究のあらゆる工程を一か所に

研究は、工程から次の工程へ移る際に滞りがちです。データの保管場所と分析の作業場所が分かれ、結果を得るまでに用いた手法をたどるのが難しいこともあります。研究者は次に何をするかを決める前に、引き継ぎを待ち、背景情報を整理し直し、それまでの経緯を把握するために多くの時間を費やしています。

研究の問い、ツール、分析、エビデンスを一か所にまとめることで、工程間のつながりを追いやすくなります。Rosalind Workbench では、重要な判断を確認し、結果が得られた過程をたどり、最初からやり直したり流れを見失ったりすることなく、次の工程へ進めます。その分、作業の調整にかかる時間を減らし、エビデンスが何を示しているのか、次に何を検証すべきかを判断するために、より多くの時間を使えます。

利用方法

ご質問は support@openai.com までお問い合わせください。